図書館市民ニュース 第2号 2016年7月発行
図書館ビジョン 若い世代も参加して作成を
図書館友の会全国連絡会代表と懇談
「図書館と市民を結ぶ海老名の会」は5月27日、図書館友の会全国連絡会の福富洋一郎代表を招き、懇談会を開きました。
福富氏は、公共図書館の発展を求めて活動する同連絡会に全国の81団体が参加していることや、自身も居住地で図書館のボランティア活動を行っていることなどを紹介。子どもを育てるうえで貴重な役割を担う図書館の教育的文化的な役割などを強調しました。
図書館の望ましいあり方
氏は、海老名市立中央図書館(海老名「ツタヤ図書館」)についても言及。中央図書館長が蔵書分類の基本的な質問に、「企業情報に関わる」ので「回答を差し控える」と述べたことを明らかにしました。
コーヒーを飲みながら本を閲覧できる図書館が全国には「ツタヤ図書館」以外にも数多くあること、「本が好き」という若い人も参加する横浜の図書館運動の経験、図書館の望ましいあり方を示す自治体の「中長期計画」を若い世代も参加してつくる意義などについても指摘しました。
力強さを感じた懇談会
参加者からは、「図書館問題に熱く 取り組む人が全国に大勢いることが分かった」(女性)、「市民の一人として甘い姿勢を考えさせられる時間になった」(女性)、「訴訟までやっている人がいて、力強さを感じた」(男性)などの感想が寄せられました。
安全脅かす山岳本の開架 改めよ
本会が海老名市長に要望
図書館と市民を結ぶ海老名の会は6月21日、海老名市立中央図書館の山岳本問題について、要望書を内野優市長に提出しました。
使われれていない電話番号も
中央図書館には登山者の安全を脅かしかねない山岳本が幾冊も開架書架に置かれています。なかでも「日本の名峰」シリーズ(山と渓谷社)の各巻は、各地の山々の 登山コース、所要時間、交通、山小屋の電話番号などを詳しく紹介。いずれも30年前の情報です。その一つ、『中央アルプス・御岳』も同様の情報を掲載していますが、御岳は二年前に噴火。死者数が58人と、戦後の噴火災害で最悪になりました。
古い山岳ガイド本には、台風や雪崩による崖崩れで、なくなった登山ルートや山小屋が記載された巻、現在使用されていない山小屋の電話番号を紹介した巻、山小屋の収容人員を現在は30人であるのに、「収容人員100人」と記した巻もあります。
蔵書の更新を
要望書は2015年の山岳遭難が2058件と、1961年以降では最多となっていることを指摘。「現状とは違う山岳本を利用者の見える開架書架に置くことは、その安全や命を脅かす危険さえ招きかねない」と告発しています。海老名市立図書館の「除籍基準」が「出版年が古く情報源として適さなくなったもの」は「除籍により蔵書の更新」を図ると明記していることにも言及し、古い情報を載せる山岳本の開架図書扱いを直ちに改め、除架等の手続きをとることを強く求めています。