〇…依然としてありました。背表紙に「DICTIONARY」と記された厚紙だけの中身のない「本」。海老名市立中央図書館の地下の閲覧室に下りる階段からは丸見えです。空虚感さえ覚えざるを得ません。
〇…同館がダミー本を置いていることは、「偽物を飾る『カフェ』」(神奈川新聞、2015年10月24日付)と、リニュアール時から問題視されてきました。にもかかわらず置き続けている。”市民はあきらめるだろう”と高をくくっているのでしょうか。
〇…いうまでもなく本には筆者や出版社の思い、愛情が込められています。公立の図書館には当然、それらを基本的人権の一つとして知る自由をもつ、どの市民にも提供する使命があります。ダミー本を置く図書館はそうした使命を最初から放棄しているといっても過言ではないでしょう。
〇…先日、大和市立図書館を見学しました。海老名と同じく指定管理者が運営する図書館ですが、「ダミー本は」との問いに、館側は即座に「ありません」と明言しました。誇りさえ感じさせる姿勢でした。
あきらめることなく、「ダミー本はノー」の声を上げ続けます。(海)